第21話 この時代にいれるなら
<前へ 目次 次へ> 時刻は午後17:55。 どの仕事もそうだと思うが、基本は五分前には出勤のカードをスライドする様にしている。その前に、着替えないといけないから、遅くても十分前にはロッカーには入りたい所だ。 「...
<前へ 目次 次へ> 時刻は午後17:55。 どの仕事もそうだと思うが、基本は五分前には出勤のカードをスライドする様にしている。その前に、着替えないといけないから、遅くても十分前にはロッカーには入りたい所だ。 「...
<前へ 目次 次へ> 「いやー、終わったなぁ~」 夕陽が出て、暗くなってきた空の下で俺は、両腕を天に伸ばし、すっかり固まってしまった背中をほぐした。 「随分、お疲れの様だな、安藤圭吾」 隣にいるヤークがそう言って...
<前へ 目次 次へ> 俺は、その光景にある種のおぞましさを覚えた。街灯の光の加減で顔に陰影が出来ているせいか、まるで、笑顔の下に隠されている、黒い本性がその男に出ている様に見えたせいかもしれない。 「あ、待ってくれ...
<前へ 目次 次へ> 「て、天使……? お前が?」 「そうだ」 ふざけるなぁ! ――と、叫びたいところだが、今、俺は確かに、俺自身が辿っていた過去に遡って、今ここにタイムスリップをしている。この現象はなんだろうか...
<前へ 目次 次へ> どこからか、お経が流れている。 俺や、周りの人達は喪服だった。 俺は何か、マイクの前で、親戚や、響子の友達や、会社の同僚や、俺の友達の前で、喋っているが、自分が一体何を言っているのか分から...